 |
 |
| 拙者の名は、聞き耳半蔵。日々、忍術を習得せんと精進する一介の忍者でござる。拙者の使命は、山を下りて忍法を使いこなし、男女の"色恋沙汰"を聞き出すこと。何故、忍びの者にそのようなことが必要か、それはお師匠様曰く、人情の機微を知るため。拙者はその尊いお考えに応えるべく、コーヒー忍者を襲名したでござる! |
|
 |
| 忍忍。今回は、西新宿にある創作ダイニングと呼ばれるところに来てみたでござる。こういったいわゆる“しっとり系”のお店の客は、薄明かりの中で甘いムードに包まれるのを好むもの。つまり、口説きモードや「あと一歩カップル」が多く発生しがちなのだ……お、あそこにお酒を飲み慣れていない風の若く爽やかなカップルが! こんがり小麦色に焼けたスポーツマンそのものの彼と白く輝く八重歯が印象的な彼女、二人ともハタチになりたてといった感じで活きがいい。さてさて聞き耳を立てるとするか…… |
 |
| 男: |
「ふー(ビールのジョッキを空け一息つく)」 |
| 女: |
「今日もハードだったの?」 |
| 男: |
「うん。それに今日日差しがハンパなかったからさ」 |
| 女: |
「熱射病とかカラダ気をつけてよ?」 |
| 男: |
「大丈夫だって。こうしてキンキンに冷えたビール飲めばさ」 |
| 女: |
「バカ。マジメに言ってるの!(と言いつつも、うっとりしている)」 |
| 男: |
「とにかく、マイマイは心配しなくていいから」 |
| 女: |
「だって、タカシのこと心配なんだもん。たまにしか顔見れないし」 |
| 男: |
「心配いらないよ。たとえ遠く離れても、俺は俺なんだから(どっかで聞いた台詞だ)」 |
| 女: |
「うん。でも、次はいつ会える?」 |
| 男: |
「うーん、インハイの予選控えてるし、なかなか会えないかもな……」 |
|
 |
 |
 |
| 女: |
「そっか、寂しいな……でも、私タカシのこと応援する」 |
| 男: |
「サンキュ。そう言ってくれると、俺も頑張れるよ。なるべく会うようにもするし」 |
| 女: |
「ホントに?」 |
| 男: |
「ああ、ホントだよ」 |
| 女: |
「ありがと」 |
|
| |
| この甘酸っぱい会話とオシャレ居酒屋はどう考えてもミスマッチ。店員にバレるのは時間の問題……こうなったら、忍法“熱血ナマシボラーの術”を使うでござる! 拙者は早速、生グレープフルーツサワーを注文し、ひたすら生搾りに熱中する男を演じた。グリグリグリ……こうして拙者は、ちょっとアブナイ生搾り好きになり、彼らの代わりにマークされたでござる。さあさあ、忌憚なく話しなされ |
 |
 |
 |
|
|
 |
 |
 |
 |
 |
| 今回の教訓は、「未成年の飲酒及び蛮行を許してはならぬ」ということでござる。これは至極当然のことではあるが、彼らのような“大胆不敵カップル”を見た日にはなおさら強く感じざるをえない。しかも拙者は下戸であるゆえ、修行のためとはいっても酒を頼むのは辛かったりするのでござる……。 |
 |
|
|
 |