|
「え?ダイビングって、潜るやつのことだよね?」
それがマサコの第一声だった。電話越しにも困惑の色をはっきりと確認できる。
「そう。興味ない?ダイビング。やろうよ」
「でもねぇ。髪ガサガサになるでしょ?」
「そうだろうね」
「ダイビングできる場所ってかなり限られてるんじゃないの?」
「うん、まあね」
「それでも、やるの?」
「やりたい。でも、一人でやっても意味がないから」
「そう?別に私はその間何か違うことしてたっていいし」
「そこまでしてやりたいとは思わないよ」
「どうして?」
「だから、言ってるだろ?俺はあくまでマサコと一緒にやりたいだけで、死んでもダイビングしたいわけじゃないって」
「『一緒に』が大事なわけね?」
「そう。でも、もしマサコが……」
「ううん。やってもいいよ、ダイビング」
「ホント?」
「まぁ、タダだって言うし?せっかくの休みにダラダラするのも、ね」
素直じゃないマサコならではの言い回しだったが、意外にすんなりと前向きになってくれたことは嬉しい誤算だ。
|