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旧KOIDAS
恋愛小説『男の本音』
第2回:「二人の夏休み」(前編)
 「三度目の夏が一つの区切り。そこを乗り越えたら結婚するわよ」
   

この間、親友の智子にそうジンクスめいたことを言われた。彼女は、学生時代に知り合った彼と五年半付き合った後に結婚した。それはごく自然なことに思えたし、二人はまさにナイスカップルという感じだった。でも、そんな彼らにも危機はあったらしく、三度目の夏に完全に終わってしまうかと思うほどのコンディションに陥ったという。しかも、そうなったことに大きな原因はなかったと思うと彼女は言った。私はそれを聞いて、不安な気持ちになってしまった。やっぱり別れというものは突然訪れるものだし、倦怠感とか惰性というものは案外気づかないものだと思う。今年で、私もタカシも二十八歳になる。もう甘い恋をしていればそれでいいなんて思えない年齢だった。

 私はそんなことを考えながら、ぼんやりとレジ締め作業をしていた。半年前に店長になり一応のステップアップを踏んだものの、「中間管理職」という立場に戸惑い、ストレスを肌で感じるようになった。毎日毎日こうやって、「現金差異が出ませんように」と祈る自分が惨めに思えてくる。
「あの、マサコさん」
新入社員の小林君がバックルームに入ってきた。爽やかで、いかにも育ちの良さそうで、白シャツとエプロンがよく似合う。
「なによ?」
「もしや、ご機嫌ナナメですか?高村DM来てますよ」
「ウソ……今日火曜日じゃないじゃん。呼んでる?」
「いえ、一応報告までに」
「なるべく時間かけて行くから。つないどいて」
 夏休みは、他の社員と交渉して、「色々考えてるよ」と意味深なことを言ったタカシに合わせて取ることができた。だから、ジンクス云々よりも期待に満ちた気持ちでいたいというのが正直なところだ。そういえば、なんだかんだと毎年海に行ってたけど、ビキニを着るのはいい加減見苦しくてもう行けない。元々スタイルに自信がない上に運動不足で、最近ではエステに頼る必要性を本気で感じているくらいだ。「三度目の夏」か……。
「ちょっとマサコさん!限界なんですけど」
小林君が流しの方から声をかけてくる。トレーを下げつつ逃げてきたようだ。
「あら、もう?」
「コーヒー豆の並べ方に工夫がないとか、ペイストリーが美味しそうに見えないとか……」
「ごめん、ごめん。すぐ行く」

女性のダイエットについてどう思いますか? 運動不足やスタイルが気になったらどうしますか?
男性グラフ 女性グラフ
男性と女性でハッキリ意見が分かれた「ダイエット」についての意見。でも、「エステに行ってても良い」という意見が割りと多かったのが意外。時代が変わったのでしょうか?女性にはいつまでもキレイでいて欲しいと思う男性と、いつまでもキレイでいたい!しかもラクに!という女性。この永遠のテーマは変わらないようです。さぁ、あなたもココをチェック!

後編に続く

男の本音はこちら→
 
プロフィール

青木勇気
名刺には「フリーライター」とあるが、実際は自称・他称ともに売れない小説家、もしくは地味なコピーライターだったりもする。
休日(というか、ある意味毎日が休日)は、趣味のフットサルに明け暮れる。
最近ハマっているのは、セガフレードの「ブラッディオレンジグラニータ」。
著書に『梨花、』(新風舎)がある。
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