「三度目の夏が一つの区切り。そこを乗り越えたら結婚するわよ」
この間、親友の智子にそうジンクスめいたことを言われた。彼女は、学生時代に知り合った彼と五年半付き合った後に結婚した。それはごく自然なことに思えたし、二人はまさにナイスカップルという感じだった。でも、そんな彼らにも危機はあったらしく、三度目の夏に完全に終わってしまうかと思うほどのコンディションに陥ったという。しかも、そうなったことに大きな原因はなかったと思うと彼女は言った。私はそれを聞いて、不安な気持ちになってしまった。やっぱり別れというものは突然訪れるものだし、倦怠感とか惰性というものは案外気づかないものだと思う。今年で、私もタカシも二十八歳になる。もう甘い恋をしていればそれでいいなんて思えない年齢だった。